「特定活動」ビザ(インターンシップ)の3つの条件
日付:2016年2月2日
インターンシップとは、大学生が一定期間企業などで就業体験ができる制度です。
グローバル化にともなって、日本企業でも外国の大学生をインターンシップで受け入れるケースが激増しています!
そんなときどんなビザをとればいいのでしょうか?
実は、報酬の有無と滞在日数でビザの種類が変わってくるんです。
このページでは、外国人インターンシップ生のビザにまつわるポイントを説明していきます!
外国人インターンシップ生のための3つのビザ
外国人の学生をインターンシップ生として受け入れるためには、報酬を支払うかどうかと研修期間によって該当するビザが違ってきます。
【外国人インターンシップ生のためのビザ】
報酬の有無 |
滞在期間 |
ビザ(在留資格) |
有 | ― | 「特定活動」 |
無 | 90日を超える | 「文化活動」 |
無 | 90日を超えない | 「短期滞在」 |
“報酬”とは何を指すのか?
ここでいう“報酬”とは、就労の対価として企業から支払われる金銭を指します。
滞在費(住居費)・渡航費・交通費などを企業から学生に支給しても報酬には当たりません。
また、報酬を支払う場合、報酬額に特に制限はありません。(上限も下限もありません。)
業種や職種の制限はあるの?
業種・職種については、インターンシップで来る学生が在学している大学で専攻している学問と関連するものでないといけません。
例えば、大学で日本語を専攻している学生が、日本のホテルで接客業務を体験してもらう場合などが該当します。
同じホテルでも、清掃やベッドメイキングをしてもらうことは原則できないことになります。
再入国許可はとれるの?
特定活動ビザと文化活動ビザの場合は、みなし再入国許可の対象です。
短期滞在ビザは対象外で、いったん出国すると査証を取り直す必要があります。
インターンシップで特定活動ビザを取得するための3つの条件
海外の大学生をインターンシップで受け入れる際に、報酬を支払う場合は特定活動ビザが該当します。
特定活動ビザの主な条件は次の3つです。
- 外国の大学生であること(※通信教育は×)
- 日本の滞在期間が1年を超えない期間、かつ通算して大学の修業年限の2分の1を超えない期間であること
- インターンシップが外国の大学の教育課程の一部として行われること
→具体的には、インターンシップに参加することで大学の単位が取得できることが必要ということです!
その他にも、日本側での学生の受入れ体制がきちんと整っているのかについて厳しく審査されます。
どんな経歴のスタッフがインターンシップを担当するのか、勤務体制(シフトや勤務時間)に問題ないか、
インターンシップ生向けのカリキュラムはきちんと組まれているかなどなど。
インターンシップ生を単なる労働力としてみていないか?という点がポイントです。
特定活動ビザを申請するための必要書類
学生の単位がかかっているインターンシップですから、スケジュールの変更は学生にとって致命的です。
特定活動ビザ(インターンシップ)の審査には2~3カ月かかることが多いので、余裕をもって準備しましょう。
【特定活動ビザ(インターンシップ)の必要書類】
2 証明写真(縦4cm×横3cm) 1枚
※申請前3か月以内に正面から撮影された無帽,無背景で鮮明なもの。
※写真の裏面に申請人の氏名を記載し,申請書の写真欄に貼付して下さい。
3 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上,392円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの) 1通
※過去にインターンシップで日本に在留したことがない場合は,その旨を文書(書式自由)にして提出してください。
【補足】
特定活動ビザ(インターンシップ)の審査は2018年8月現在、かなり厳しく審査されているようです。
特に企業側が初めてインターンシップ生を受け入れる場合の審査は本当に厳しく、
上記の必要書類以外に追加で書類を求められるケースも多いです。
当事務所では特定活動ビザの申請実績が豊富なため、許可されるためのアドバイスをさせていただきますのでお気軽にお問合せください!
【番外編】「サマージョブ」という受け入れ方もあります
「サマージョブ」という言葉を聞いたことがありますか?
サマージョブとは、夏休みなどの長期休暇の間に外国の大学生が日本の企業で就業体験をすることです。
サマージョブで外国人を受け入れる際も、インターンシップ(有償)の場合と同じ「特定活動」ビザが使えます。
このときの条件は、以下の通りです。
※インターンシップとは違い、サマージョブは夏季休暇などに行われる活動なので、単位取得は条件にはなりません。
- 外国の大学生であること(※通信教育は×)
- 滞在期間が、外国の大学で学生(申請人)に対して授業が行われない機関で、かつ3カ月を超えない期間であること
- 大学と日本の機関との契約に基づき、報酬を受けてその機関の業務を行うこと
神戸大学国際文化学部卒業後、大手電機メーカーにて海外営業・マーケティング業務を経験。
育児休業中に行政書士資格を取得し、2015年12月に独立。
開業当初から入管業務(ビザ申請)に特化し、現在では年間500件以上の相談、100件以上の申請を行う。