卒業後も就職活動をしたい留学生のための特定活動ビザを徹底解説!
日付:2016年8月1日
日本の大学や専門学校を卒業した留学生が、卒業前に就職先が決まらず
「卒業後も日本に残って就職活動をしたい!」という場合、「特定活動」ビザが与えられます。
また、「就労ビザへの変更申請が不許可になってしまった!」という場合も、
特定活動ビザに変更して日本で就職活動を続けることができます。
就職活動を行うための特定活動ビザの場合、資格外活動が許可され、
在学中と同じように週28時間の範囲でアルバイトをすることができます。
このページでは留学生が特定活動ビザに変更する場合の、条件や注意点を説明していきます。
留学ビザから特定活動ビザへ変更するための条件
大学や専門学校を卒業した留学生が誰でも「特定活動」に変更して日本で就職活動できるとは限りません。
「特定活動」に変更するためには、次の3つ条件を満たす必要があります。
- 大学・専門学校を卒業する前から就職活動を行っていること
- 大学・専門学校から推薦があること
- 在留状況に問題がないこと
!注意!
専門学校を卒業する留学生の方は、専門学校で修得した内容が「技術・人文知識・国際業務」などの
就労ビザで定められている活動と関連があることが求められます。
あくまで、専門学校で修得した内容を生かす職業に就くことを前提とされているのです。
例えば、「技能」ビザや「芸術」ビザの場合、原則実務経験が条件となります。
そのため、専門学校で修得した内容が料理人(=技能)やダンス指導(=芸術)に関連する内容の場合、
就職活動を継続するための「特定活動」ビザへの変更は認められません。
在留期限は最長1年
就職活動を継続するための「特定活動」ビザの在留期間は原則「6か月」です。
ただし、その間に就職先が決まらない場合は、
・卒業から1年未満であること
・在留状況に問題がないこと
が認められれば、さらに最長「6か月」の在留期間が与えられます。
そのため、大学・専門学校卒業後も就職活動を続ける場合は、最長で1年間日本に住み続けることができる、というわけです。
「特定活動」ビザに変更するための必要書類
【卒業後も継続して就職活動を行う大学生の場合】
在留中の経費の支弁能力を証明する文書(本人名義の預金通帳など)
※本人以外が支弁する場合は、支弁能力を証明する文書とその方が支弁するに至った経緯を明らかにする文書 |
直前まで在籍していた大学の卒業(修了)証明書 |
直前まで在籍していた大学による推薦状 |
継続就職活動を行っていることを明らかにする資料 |
【卒業後も継続して就職活動を行う専門学生の場合】
在留中の経費の支弁能力を証明する文書(本人名義の預金通帳など)
※本人以外が支弁する場合は、支弁能力を証明する文書とその方が支弁するに至った経緯を明らかにする文書 |
直前まで在籍していた専門学校が発行する専門士の称号を有することの証明書 |
直前まで在籍していた専門学校の卒業証明書、成績証明書 |
直前まで在籍していた専門学校による推薦状 |
継続就職活動を行っていることを明らかにする資料 |
専門課程における修得内容の詳細を明らかにする資料 |
就職活動を行っていることを証明する資料としては、訪問(予定)企業名や訪問(予定)日、
試験・面接(予定)日が記載された文書などを準備します。
「留学」ビザから「特定活動」ビザへの変更における注意点
大学や専門学校を卒業後も在留期間が残っている場合
「留学」ビザの更新のタイミングによっては大学や専門学校を卒業してからも
「留学」ビザの在留期間が残っている場合があります。
この場合でも、「留学」ビザは留学生のためのビザなので、卒業後に就職活動を行うのであれば
「特定活動」ビザへの変更が必要です。
法律上、現在持っているビザで決められている活動(「留学」ビザであれば「留学生として
大学や専門学校に在籍し勉強する活動」)を行わなくなってから3か月が経過すると在留資格取り消しの対象となるので要注意です。
留学生が大学卒業前に内定をもらいビザ変更を行ったが不許可になった場合
通常、ビザ変更申請中に在留期限が切れ、変更申請が不許可になると出国準備に入らなければなりません。
しかし、留学生の場合は、
・卒業後1年未満で
・その後も継続して就職活動を行うことを希望し
・在留状況に問題がなければ
就職活動を行う目的である「特定活動」ビザへ変更できます。
これは、就職活動目的の「特定活動」ビザを持っている留学生で、内定をもらったものの就労ビザへ変更申請したものの、
在留期限が切れた後に不許可となった場合も、同様に、再度就職活動目的の「特定活動」ビザが与えられることになります。
卒業後に就職活動を希望する留学生に配偶者や子どもがいる場合
「留学」ビザを持っている留学生の配偶者や子どもは「家族滞在」ビザを持っていますが、
「留学」ビザから就職活動目的の「特定活動」ビザへ変更する際は、その配偶者や子どもはも「特定活動」ビザへの変更が必要です。
このように、留学生の方で日本で就職先が決まった方は就労ビザへの変更は必要ですし、決まらなかった場合も
特定活動ビザへ変更することで卒業後も日本で就職活動を続けることができます。
どちらの場合も直前になって焦らずにすむように卒業前にビザについて確認しておきましょう!
神戸大学国際文化学部卒業後、大手電機メーカーにて海外営業・マーケティング業務を経験。
育児休業中に行政書士資格を取得し、2015年12月に独立。
開業当初から入管業務(ビザ申請)に特化し、現在では年間500件以上の相談、100件以上の申請を行う。