外国人を雇うなら知っておきたい就労ビザの種類
日付:2016年1月5日
外国人の方が日本で働くためには、仕事内容にあった就労ビザを取得しなければなりません。
外国人の従業員を雇う前にどんなビザがあるのかざっくり知っておきましょう。
このページでは、就労ビザの種類について説明していきます。
そもそも就労ビザって何?
外国人の方が日本で働くためには必ず就労ビザが必要です。
就労ビザがないのに働いていると不法就労になります。(留学ビザなどで資格外活動許可をもらっている場合を除きます)
「就労ビザ」と一言で言っても、その種類は17種類あり、
職業によってビザの種類が決められていて、それぞれ必要な要件も違います。
就労ビザには期限があり、大体1年・3年・5年のいずれかです。(3カ月、4カ月、6カ月が与えられるケースもあります)
有効期限が切れても更新手続きをすれば引き続き日本で働くことができます。
申請方法は、日本にある入国管理局に申請し、基本的には面接はなく書類だけの審査になります。
ビザ申請に必要な書類もビザの種類によって異なります。
そのため、まずはどの種類の就労ビザに該当するのかを見極めることが重要です!
就労ビザの種類と主な職業
日本では、いわゆる単純労働や肉体労働で働く外国人には就労ビザは発給されません。
「専門的・技術的分野の外国人労働者は積極的に受け入れる」という基本方針を取っているんですね、ひそかに。
そのため日本で働くためには、それぞれの就労ビザで決められている活動(業務内容)を行う必要があります。(それ以外は原則できません)
一般的な会社員の場合、ほとんどが「技術・人文知識・国際業務」ビザに該当します。
※「技術・人文知識・国際業務」ビザの要件をチェックする→こちら
※「技術・人文知識・国際業務」ビザをとるための必要書類をチェックする→こちら
その他にも就労ビザには次のようなビザがあります。
【就労ビザの種類】
ビザの種類 | 該当する職業例 |
外交 | 外国政府の大使、行使、総領事等とその家族 |
公用 | 外国政府の職員とその家族 |
教授 | 大学の教授、講師 |
芸術 | 画家、作曲家、著述家、フラダンス講師 |
宗教 | 外国の宗教団体から派遣される宣教師 |
報道 | 外国の報道機関の記者、カメラマン |
高度専門職 | 高度な資質・能力を持つと認められる者
(学歴、職歴、収入、年齢、語学力などの合計ポイントが基準を満たす人) |
経営・管理 | 企業の経営者・管理者(部長、支店長、所長など) |
法律・会計業務 | 外国法事務弁護士、外国公認会計士、弁護士、公認会計士、司法書士、税理士、弁理士など |
医療 | 医師、歯科医師、薬剤師、看護師など |
研究 | 政府関係機関や企業などの研究者 |
教育 | 小・中・高校・インターナショナルスクールの教師 |
技術・人文知識・国際業務 | ・システムエンジニア、技術開発・設計者
・企画、財務、マーケティング、営業 ・通訳・ 翻訳、語学学校の講師、海外取引業務、 服飾のデザイナー |
企業内転勤 | 外国の親会社・子会社・孫会社、関連会社からの転勤者
(「技術・人文知識・国際業務」に該当する活動を行う者) |
介護 | 介護福祉士 |
興行 | 歌手、ダンサー、俳優、ファッションモデル、プロスポーツ選手、サーカスの動物飼育員、スポーツ選手のトレーナー、振付師、演出家 |
技能 | 外国料理の調理師、貴金属加工職人、パイロット、外国に特有の建築士・土木技師、外国製品の修理技能士、動物の調教師、スポーツの指導者、ソムリエ |
ちなみに、コンビニや牛丼チェーン店で外国人の店員さんをよく見かけますが、彼らは例外。
ほとんどの場合、彼らは留学生で「留学」のビザを持っています。
「留学」は大学生や高校生などの学生のためのビザで、基本的には就労はできません。
しかし、例外的に「資格外活動」として限られた時間内での就労が認められているわけです。
就労ビザ以外のビザをもっている外国人は日本で働けないの?
これまで見てきたいわゆる「就労ビザ」以外のビザをもっている外国人の方でも日本で働ける人がいます。
例えば「特定活動」は様々な活動内容に用いられているので、就労可能かどうかは個別に判断する必要があります。
「特定活動」の中でもワーキングホリデー、インターンシップ、アマチュアのスポーツ選手、
外交官などの家事使用人は日本で働くことができます。
反対に、留学生が卒業後に就職活動を行う場合「特定活動」が該当しますが、この場合は働くことはできません。
ビザの種類 |
該当例 |
特定活動 | ワーキングホリデー、インターンシップ、アマチュアのスポーツ選手、外交官などの家事使用人、就職活動中の留学生 |
また、次のビザをもっている場合は日本で行う活動に制限がないので
仕事の内容や職種も制限されませんし働いても働かなくてもかまいません。
ビザの種類 | 該当例 |
永住者 | 法務大臣から永住を認められた者 |
日本人の配偶者等 | 日本人の配偶者、実子、特別養子 |
永住者の配偶者等 | 永住者の配偶者、実子など |
定住者 | インドシナ難民、日系3世、中国残留邦人など |
このように、ビザはその人の仕事内容や滞在目的、身分・地位などによって細かく分類されます。
外国人の従業員を雇う場合は、まずは自社の仕事内容がどのビザに当たるのかをしっかり把握しておきましょう!
神戸大学国際文化学部卒業後、大手電機メーカーにて海外営業・マーケティング業務を経験。
育児休業中に行政書士資格を取得し、2015年12月に独立。
開業当初から入管業務(ビザ申請)に特化し、現在では年間500件以上の相談、100件以上の申請を行う。